どれだけ気をつけていてもミスは起こります。
これからお話しする内容は、ちょっとした油断や甘えよって起きてしまった失敗談です。
商品を破損させてしまった…
入社して半年が経ち、配達にも慣れて一通りのことはなんとか自分一人でできるようになった頃の話です。
その日は荷物が多く、朝から積込も大変で少しイライラしていました。配達も中盤に差し掛かり、荷物が減っていくのと同時に、積んであった荷物が車の振動によって徐々にバランスが悪くなっていくのがわかりました。
しかし、荷物が多かったので「早く配達を進めなければ」という焦りから、整理整頓はほどほどにまずは荷物を減らすことだけを考えて配達をしていました。
運転も多少荒くなっていたと思います。見通しの悪い道路に侵入してしばらく運転していた時、急に子供が飛び出してきました。
運転が荒くなっていたとはいえ、安全確認はしていたので、子供をはねてしまうようなことはありませんでした。
しかし、ブレーキを踏んだ瞬間に「ガシャガシャ!」という音が荷室から聞こえてきたのです。
子供の無事を確認してから荷台を確認すると、荷物が派手にひっくり返っていて、中身が破損していることが容易に想像できました。
しかし勝手に開けることはできないので、事情を上司に報告。お客様へは、渡す時に中身を確認してもらうことでその日は対応することになりました。
結果、「割れ物」に関してはほぼダメになっていて数名のお客様にご迷惑をお掛けすることとなりました。もちろん配達も通常通りに終わるはずがありません。
気分で仕事をしていると大きなミスが起こり、やがて自分の首を絞めることになると猛省させられた失敗でした。
お客様から預かった受注書を紛失し大騒ぎに…
軽配送といっても荷物を渡すだけではなく、お客様から直接注文を受けることもあります。とはいえお金のやり取りをするわけではなく「注文書を使って配達を頼んでいただく」という方法です。
ある日、お客様から預かった受注書を手に持ったまま荷台の整理をしていた時のことです。荷物を移動させていたら、手が滑って受注書が荷物と荷物の隙間に落ちてしまいました。
その時すぐに受注書を拾えば良かったのですが、天候が悪かったこともあり「荷物が減ってくれば受注書が拾いやすくなるから後にしよう」と後回しにししたことが全ての始まりでした。
ここからはご想像通りですが、荷物が減ってきて探しても受注書はどこにも見当たりません。その日は風も強かったので荷台を開け閉めしている間にどこかへ飛ばされてしまったのかもしれません。
ただ、このような事態になっても「また注文してもらえばなんとかなるな」などと甘く考えていたことははっきりと覚えています。
上司に報告すると怒られるのは分かっていたので、配達が終わったあとこっそりお客様のところへ白紙の注文書を持ってお伺いしました。しかしお客様は不在でお会いすることができませんでした。
商品は来週の同じ曜日に届けなければならないのですが、注文期限は明日までです。そこで上司に報告すれば良かったのですが、「明日もう1度伺う」という選択をしました。結果は不在。
そして報告するタイミングを無くした私は、次回の配達時に直接謝罪をして会社には黙っていてもらおうと思いました。
配達時にはいつも笑顔で迎えてくれるお客様だからなんとかなるだろうと思っていましたが、人が変わったかのように大激怒。
「あんたの会社はなんでこんなに無責任なの?」「これはあんたではなく上司やあなた達に商品を運ぶのを依頼しているところの責任」「あんたは現場で頑張っているから悪くない」となぜか自分が悪いのに庇ってもらう始末。
その場で会社に電話をすると言い出し、対応した上司はもちろん何のことだか分からず、とにかく謝罪にとすぐお客様の家まで来ました。
その時に経緯を説明。お客様は納得してくれたものの「言い出せない環境を作ったあんたが悪い」と上司は最後まで責め続けられた上に「あんたは一人で抱え込んでかわいそうだったね」と慰められ複雑な気持ちになりました。
なぜならその上司に怒られたことは一度もなく、いつも「なんかあったら言えよ」と声を掛けてもらっていたからです。
その後、上司は一言も自分を責めることなく商品を発注してくれて、翌週にはお届けすることができました。商品の発注先にもだいぶ怒られたみたいでした。
「個人情報の流出」ですから当然です。その後ミーティングで個人情報の取り扱いについて再共有する場が設けられました。
自分のことを考えてか、他のスタッフには「他の営業所で起きたこと」という内容で話を進めていました。
その後も上司は「何かあったら言えよ」と変わらず声を掛けてくれます。その度に「二度と自分勝手な行動をしないように」と自分に言い聞かせています。
同僚とのトラブル…
軽配送の仕事は1人でいる時間が長く、他の従業員の状況が把握しにくいので、「自分が1番大変なのでは?」と思ってしまいがちです。これはそんな不満を抱えていた時の話です。
その日に配達する荷物を積込している時に、よく話をするスタッフが「少ないから楽そうだなぁ」と話しかけてきました。これは配達業界のあるあるなので、珍しいことではありません。
しかし、その時はタイミング悪く不満を抱え込んでいたということもあり、ちょっとした口論に。周りの人たちに止められて収まりましたが、そのスタッフとは喧嘩別れのようになってしまいました。
「確かに今日は少なかったけどいつもはもっと運んでいる」と思いながら、配達を終わらして会社に戻った時のことです。
いつもより早く戻れて普段とは違う会社の光景を目の当たりにして驚きました。
なんと朝、私に「少ない」と声を掛けてきたスタッフが次の日の積込がしやすいように仕分けをしていたのです。それも他のスタッフの分も。
上司に理由を聞いてみると、本人曰く「配達は得意で、早く帰ってくることができるから、定時までは自分の仕事以外のことをする」と言ってやり始めたそうです。
「結構長い期間になるよ。あれで皆も助かっているだろう」と言って笑っていました。
私は「あのスタッフは早く帰ってくるから自分より楽をしている」としか思っていなかったのに、そのスタッフは人の負担を減らすために配達の効率を考えていたことを知り、急に申し訳ない気持ちになりました。
それからは「自分だけが大変」という考えは改め、自分に与えられた仕事は人と比べることではないと思うように心掛けています。
軽配送は孤独な時間が多いけど、皆で協力しながら配達していることに気づけた失敗談でした。